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マンションの壁埋め込みWiFiを1万円で改善した話(WiFi 6ルーター追加)

2026-04-189分で読める

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目次

症状:有線は速いのに無線だけ遅い

ネットワーク構成

実測値

原因の切り分け

上流は問題なし

2.4GHz帯で詰まる理由

なぜ5GHzを掴めないのか

解決策:自前WiFi 6ルーターをAPモードで追加

なぜAPモードなのか

却下した代替案

機器選定:TP-Link Archer AX3000

他機種を外した理由

セットアップで詰まったポイント

失敗した初期セットアップ

APモードへの切替手順

学び

実測結果

気づき:「無線は遅い」はWiFi 5以前の常識

同じ症状の人向けチェックリスト

まず確認すること

自前ルーター追加時の注意

機器選びの基準

マンション備え付けの壁埋め込み型WiFiを使っていると、「有線は快適なのに、iPhoneだけ妙に遅い」という場面に出くわすことがあります。今回、同じ症状を自前のWiFi 6ルーターをAPモードで追加するだけで一気に解消できたので、原因切り分けから機器選定・セットアップの落とし穴までをまとめておきます。費用は約1万円、作業は1時間弱です。

症状:有線は速いのに無線だけ遅い

ネットワーク構成

今回の環境は以下のようなマンション備え付けの壁埋め込みWiFi(あばねっと)です。

壁埋め込みAP本体

有線側は十分な速度が出ており、動画ストリーミングも大容量ファイル転送も快適。ところが無線接続した場合は体感が明らかに遅く、4K動画の再生でバッファアンダーランが頻発していました。

実測値

fast.com で iPhone の実測速度を測ったところ、2.4GHz帯で33Mbps。壁APのラベルには5GHz用のSSIDも記載されていて、LEDインジケータでも5Gは点灯しているのに、iPhone側のWiFi一覧には2.4GHzしか出てこない状態です。

改善前の速度計測(2.4GHzで33Mbps)

原因の切り分け

上流は問題なし

まず、壁APより上流(ISP側)は問題ありません。有線接続のデバイスで実測速度が十分出ていれば、ISP・回線・壁APまでの経路はボトルネックではないと切り分けできます。つまり犯人はWiFi区間です。

2.4GHz帯で詰まる理由

2.4GHz帯の理論値は最大300Mbpsですが、マンションでの実効値は30〜80Mbps程度に落ち込みます。原因は帯域の混雑で、以下がすべて同じ帯域に同居するためです。

さらに、2.4GHzは3チャンネルしか非重複で使えないため、隣接宅のAPと必然的に競合します。33Mbpsという実測値はこの混雑環境として妥当な数字です。

なぜ5GHzを掴めないのか

壁APは5GHzを出しているのに、iPhone側の選択肢に出てこない。想定される原因は次の3つです。

いずれにしても、マンション共用機である壁APは自分では設定変更も置き場所変更もできません。

解決策:自前WiFi 6ルーターをAPモードで追加

結論としては、壁APの下流に自前のWiFi 6ルーターをAPモード(ブリッジモード)で追加するのが最もシンプルでした。

改善前(壁APのWiFiにiPhoneが直接接続)

改善前の構成図

改善後(自前ルーターをAPモードで追加し、iPhoneは新ルーターのWiFiに接続)

改善後の構成図(APモード追加)

なぜAPモードなのか

自前ルーターをデフォルト(ルーターモード)のまま設置すると、その配下に新しいサブネットが作られて二重NAT状態になります。これはいくつか面倒を招きます。

APモードはルーター機能(NAT・DHCP)をOFFにして、単なるWiFi発信機として動作させるモードです。DHCPは壁APに任せるので、iPhoneも有線機器も同じサブネットに居続けられます

却下した代替案

ついでに検討して落とした案も書いておきます。

機器選定:TP-Link Archer AX3000

選んだのは TP-Link Archer AX3000(7,000円程度、2026/04/18時点)です。

Archer AX3000 製品パッケージ

商品を見る

選定基準は次の4点です。

他機種を外した理由

セットアップで詰まったポイント

ここが今回一番ハマった部分です。箱から出してすぐ、APモードに切り替える前に既存のHUB配下に繋いでしまうと、既存機器のIPアドレスが一斉にズレます。

失敗した初期セットアップ

Tetherアプリの初期セットアップウィザードは、ルーターモード前提で以下のステップで進行します。

初期セットアップウィザードの流れ

このウィザードを素直に辿って設定完了すると、新ルーターが「ルーターモード」で起動します。結果、壁AP配下(192.168.32.x帯)とは別に、新ルーター配下で別サブネット(192.168.0.x帯)が作られ、以下が発生しました。

APモードへの切替手順

修正手順は以下の通りです。

1. Tetherの「もっと」タブから「動作モード」→「アクセスポイントモード」を選択して適用

もっとタブから動作モード切替へ

HomeShield機能はAPモードでは無効化される旨の警告が出ますが、今回の用途ではそのまま続行してOKです。切替後、ルーターが再起動するまで数分待ちます。

2. 既存の有線機器をルーターに集約

APモードではWAN/LANポートのどちらに挿しても動作するので、壁APから来ているLANケーブルの挿し替えは不要でした。既存の有線機器をルーターのLANポートに繋ぎ替えることで、ルーター自身がHUBの役割を兼ねるため、今回の作業を機に既存のHUBは撤去しました。

3. 動作確認

iPhoneを新SSIDに接続し直して、以下を確認します。

学び

APモードへの切替は、本接続する前に済ませるのが正解です。ルーターモードのまま一度でも繋いでしまうと、壁AP配下のDHCPクライアントのIPが変動して既存機器のアクセス経路を見失います。箱から出したら、とりあえずSSIDに繋いでまず動作モードだけ変える、という手順で進めるとスムーズです。

実測結果

APモード化+5GHz帯接続の結果、同じiPhone・同じ場所で計測して以下まで改善しました。

改善前後の速度比較(33Mbps→650Mbps)

項目改善前改善後
接続帯域2.4GHzWiFi 6 (5GHz帯)
fast.com 実測33Mbps650Mbps

実測値は電波環境・距離・端末性能・時間帯に強く依存します。同じ機材でも別の部屋では結果が変わる点はご留意ください。

気づき:「無線は遅い」はWiFi 5以前の常識

副次効果として、普段のWebページ読み込みも有線接続と体感差がなくなりました。規格ごとの実効速度の目安は以下の通りです。

規格登場実効速度目安
WiFi 4 (11n)2009年50〜150Mbps
WiFi 5 (11ac)2013年200〜400Mbps
WiFi 6 (11ax)2019年500〜1000Mbps+
WiFi 7 (11be)2024年1000〜5000Mbps+

WiFi 6世代では、日常用途(Web閲覧、動画視聴、一般的なファイル転送)で有線との差が体感できないレベルまで来ています。有線を引くべき場面は以下のような用途に絞ってよさそうです。

同じ症状の人向けチェックリスト

マンションの壁埋め込みWiFiで同じ症状を踏んでいる人向けに、確認項目をまとめておきます。

まず確認すること

自前ルーター追加時の注意

機器選びの基準


マンション備え付けのWiFiをそのまま使っている人は多いと思いますが、1万円程度の投資で動画再生の快適化・ブラウジングの高速化・同時接続の安定性が一気に手に入ります。壁埋め込みAPの仕様に諦めていた人の参考になれば幸いです。


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